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1997年教壇に立ちました。そのときの講義の内容をまとめた資料です。 まだまだ十分ではありませんが、参考までに見て頂ければと思いま す。
(※ 異常編はカットしてます)

母性看護

母性とは、自分の体内で胎児を育て、出産し、愛情を持って
子供を育てるという女性の特性を言う。

T母性の概念

母性には、身体的側面――妊娠、出産、授乳の過程におこる身体的側面
            卵巣が活動を始める思春期に開始する
     社会的側面――母性意識や、母親の役割などの心理的側面
            母性意識は幼少時から、思春期、成熟期
            社会的側面――母性意識は、更年期、老年期が優位になる



U.これからの母性看護の考え方


  1)社会環境と母性看護
       1935年――富士山型
       1980年――釣り鐘型
       2025年――円筒型へ移行
     【原因】
       ・出生数の減少 ・平均寿命の延長 ・高度経済
       ・情報社会   ・人工の都市集中 ・女性の高学歴化と社会進出

        ※これらを念頭に入れて母性を勉強する必要があります。

――女性の生涯を通して看護を考えると
     妊娠、出産、育児に関わる期間は相対的には短いが、生涯の中で
     このわずかな期間の体験を、個々の価値観の中で「十分満足した
     ものにしたい」という志向が高まりつつある。

――母性看護の概念は
     女性の生涯に係わるものとなり、家族計画の普及によって出生が
     抑制されている社会環境にも、正しく対応をするものでなければ
     ならない。

  2)産業構造と母性看護

     昔の農林漁業を中心とした産業構造から、工業、情報、サービス
     業中心に移行している。

       都市型=核家族……勤労女性の有配偶率が高い
       母性看護――育児休業制度の充実
             生活福祉、教育制度、都市政策などを考慮した 
             ものでなければならない。

  3)母性看護の将来――病気と健康の間への対応

     母性看護では、母子結合、母子相互作用という健康現象を正しく捕
     えられ、それを多様化した環境に正しく関連されること、及び、加
     齢による母性の変化と、身体的変化との関連を正しく認識し、理解
     すること。

     #健康と不健康の間の看護



V母性看護の意義と役割


   ・保健指導
   ・プライマリーナーシング
   ・継続看護
   ・意義
   ・役割

  1)母性各期の援助目標
     思春期――――母親になることの準備が、心理的、身体、社会的に整う
            ように援助する。
            ・適正な性教育
            ・若年妊娠の予防
            ・HIV、性行為感染の予防
     成熟期――――妊娠、分娩、育児を心身共に、健康な状態で経過し、望ま
            しい母子関係が形成されるように、母親としての意識や役
            割を形成発展させるように援助する。
     中、高年期――更年期障害や成人病の予防、、母親自身が健康の保持増進
            に勤める。
  2)父性への援助
     ・父性意識
     ・父親役割の形成発展
     ・母性看護は、母親、父親、子供を含めて家族中心的な援助が必要



母子保険の沿革と現状


  1)母子保険の沿革
    奈良時代――女医の制度/助産とその看護が主な業
    平安時代――胎児の発育、難産の処置、新生児の沐浴、
          医書が取り上げられる
    室町時代――産科の医師
    江戸時代――産婆という職業が独立

   1.産婆規則―――1899年(明治32年)
   2.看護婦規則――1915年(大正4年)
           医師の補助業務を行う
   3.保健所法―――1937年(昭和12年)
           保健婦の名称が決まる
           1942年(昭和17年)
           妊産婦手帳(現在の母子手帳)が作られる。
   4.優生保護法――1948年
           優生保護法の制定では人工妊娠中絶が合法化され、
           受胎調節も普及
   5.児童福祉法、労働基準法
           1947年、若年者と勤労女性の保護
           生理休暇、産前、産後の休暇
   6.母子健康センター
           1958年(昭和33年)市町村単位で設立
   7.母子保険法――1965年(昭和40年)
           母子を一体とした総合的保健対策の基本


  2)母子保健の現況
     1.妊産婦死亡
      直接産科的死亡(妊娠分娩、産褥中の合併症や異常、事故による死亡)
      間接産科的死亡(妊娠前から、また妊娠中に悪化し産科領域以外の疾患による死)

           1年間の妊婦死亡(直接、関節死亡)
  妊産婦死亡率=-----------------------------------------*1000
               1年間の出生数

     ■1979年         ■1992年
      1位 妊娠中毒症      1位 高血圧
      2位 出血         2位 分娩後異常出血
      3位 子宮外妊娠      3位 合併症


     2.周産期死亡
      周産期死亡とは、妊娠28週以後の死産と、生後1週未満の早期
      新生児死亡を合わせたもの。


 人工動態統計での周産期死亡は

         1年間の妊娠満28週以後の死産数+早期新生児死亡
 周産期死亡=-----------------------------------------------------*1000
                  出生数


 WHOでの周産期死亡は

         1000グラム以上の死産数+早期新生児死亡数
 周産期死亡=--------------------------------------------*1000
         1000グラム以上の出生数(出生数+死産数)


   3)死産
     死産とは、妊娠満12週以後の死児の出産をいい、人工死産と自然死産に別れる。

          1年間の死産(自然、人工)
   死亡率=-------------------------------------*1000
         1年間の出産数(出生数+死産数)


   WHOでの死産数は
              1000グラム以上の死産数
   死産率=------------------------------------------------*1000
         1000グラム以上の出生数(出生数+死産数)



W母子保健の問題点

   最近では、出産場所が施設分娩に集中して、家庭分娩が
   殆ど無くなっている。それまでは助産婦のきめ細かい生
   活指導や育児指導が不十分になって来ている。

   1.就労と育児の両立の難しさ
   2.ライフサイクルの変化
   3.高年、核家族の増加

X母子保健の対策

   1)わが国の母子保健事業
      結婚前――婚前教育、婚前者の健康診査(性病検査)
           結婚後の新婚学級
      妊 娠――母子手帳の交付、定期的な健康診査、母親学級
           B型肝炎母子感染防止事業
      分娩後――分娩手当金、育児指導、家族計画指導
           新生児訪問指導、乳幼児の健康診査
           1歳6ヵ月健康診査、3歳児健康診査
           育児手当金、育児休暇、育児休業、
           神経が細胞腫検査、養育医療

   2)母子保健に関する法律
      母子保健法――母性、乳児、幼児に対する保健指導、健康診査医療、
             その他の措置を講じて、国民保険の向上に寄与する
             ことを目的とする
      (昭和40年)
      知識の普及、保健指導、新生児訪問、健康診査、栄養の摂取に関する
            援助、妊娠届け、母子健康手帳の交付、助産婦訪問指導、低体重児の
      届け出、未熟児訪問指導、養育医療

      児童福祉法――育成医療、助産施設、母子寮、保育所
      優生保護法――人工妊娠中絶、受胎調節実地指導、優生保護審査会、
             優生保護相談所
      育児休業に関する法律――
             出産後1年間の育児休業、また勤務時間の短縮
      男女雇用機会均等法――
             妊娠、産後、健康管理について事業主が講ずる全て
             の措置、育児休業の普及
      戸籍法――――戸籍の記載届け出の場所と方法
             出生の届け出、子の認知、遺言による認知
             胎児の認知、届け出
      生活保護法――出産扶助は、分娩介助、分娩前後の処置、脱脂綿、
             ガーゼなど衛生材料の補助、母性各期の特性と保健
             指導



■女性の一生

    新生児期、乳児期、小児期、思春期、成熟期、更年期、老年期に分けら
    れる。

    1.胎児期、小児期……性腺の分化は妊娠7〜8週頃より始まる。女性生
              殖器の形成は12週ごろ。従ってウイルス、薬物、
              ホルモン、放射線、などの影響は妊娠12週以前に
              起りやすい
    2.思春期………………[特性]身体的側面
              身長、体重、胸囲が急速に成長し、乳頭が突出し、
              次第に声音が変わり、精神的にも女性らしさの特
              徴を備えてくる。

              月経の初来(初経)
              陰毛、腋毛の発生         第2次性徴
              乳腺の発達
              皮下脂肪がついて丸みをおびる

              [特性]心理的側面
              矛盾した特異な倫理を持ち、拒否的、反抗的な言
              動、不作法な態度、情緒の不安定、他人に依存し
              易い

              [特性]社会的側面
              思春期の自殺、犯罪の増加は 身体、精神の発育
              が未熟、不調和な時期に進学、就職、友人関係、
              家庭内問題が加わり、引き起こされる

              ●保健指導
              愛情、自由、独立、自己主張、人間的理解、社会
              的接触への欲求が強く、また不満や劣等感、絶望
              感があると指導にたいして反抗、拒否、逃避の態
              度を取る。そのため、具体的、理論的な暖かい説
              得を通して指導する事が大切。
              にきび、容姿、月経異常、外性器、乳房の発育状
              態、やせ、肥満などには、異常な関心の有ること
              を理解し、その不安、劣等感の解消に勤める

              ●栄養指導
              発達が盛んな時期であるので、栄養の摂取を多く
              する。思春期に栄養不足が長く続くと、体重が減
              り、第2次性徴の出現が遅れ、無月経、無排卵性
              月経など妊娠能力に影響。

              ●月経にたいする指導
              ・初経準備教育…………学校、保護者
              ・月経に対する指導……手当の方法、月経の生理
                         と将来への意義
              ・月経中の生活態度……身体の清潔、激しい運動
                         の中止

              ●性に対する指導
               自分で性行動の選択、その結果の責任内容
               結婚、妊娠、育児、性感染の指導、また予防

              ●思春期の電話相談
              ●母性育成のための指導


    3)成熟期…………[特性]生理的側面
             18歳頃から40、50歳ごろまで、女性の特徴である完全
             な周期を持った生命活動の時期
             [特性]心理的側面
             結婚、妊娠、出生、育児、母性の精神衛生にとっても、
                         多くの重要な問題がある。そして女性の生理と、精神
             活動や社会生活、家庭生活など、本人の生活環境との
             間には密接な関係がある

              ●保健指導
              ・産前、産後の定期検診
              ・出血、月経異常、帯下、発熱、疼痛、排尿障害な
               どの婦人科的な異常に注意。子宮癌検診、乳ガン
               検診
              ・過度の肉体的、精神的労働や、わるい環境での作
               業を避ける
              ・全身的な疾患の予防、早期発見、早期治療に心掛
               ける
              ・主婦が健康を害した家庭が、いかに暗いか

              ●未婚期の指導/婚前教育
              ・結婚の妨げとなるような心身、生活、環境の条件
               を早く改善し、配偶者の選択。優生結婚、性行為
               感染症、婚前健康診査

              ●労働に対する指導
              ・労働による母性への影響は、職業の種類、労働の
               強さ、就業した年令、個人的な体質にも異なるが、
               初経の遅れ、無月経、月経周期の異常、月経困難
               症は定期的な健康診査を受ける
               産前産後の休暇、妊娠中の配置転換、育児時間、
               育児休暇、勤務時間の短縮

              ●栄養指導……バランスの良い食事

              ●家族計画指導
               [受胎調節法の条件]
                1.避妊効果があり失敗しない
                2.実施者が自分自身で使用できる
                3.性感を損なわない
                4.安全である
                5.失敗して妊娠しても胎児に影響が無い
                6.避妊を中止すれば次の妊娠が可能 
                7.費用が安い             受胎調節法は永久避妊法ではなくて一時的な避妊法             永久避妊法には、卵管結紮、精管結紮、ラパロスピー(?) 【薬物に寄る避妊】   ・エストロゲン、ゲスターゲンの合成避妊薬(ピル)…………確立99%   ・殺精子剤   ・器具を用いる方法……子宮内避妊器具(IUD)リング              [利点] 1.避妊効果はピルよりの低いが高額                  2.1度入れれば長く有効(約2年)                  3.忘れっぽい人に良い                  4.ピル使用禁の人も使える                  5.出産間隔の調節に適する              [欠点] 1.時に妊娠する事がある                  2.医師に一定期間ごとに入れ替えてもらう                  3.自然脱出が有る                  4.出血、下腹痛、内膜炎、内膜異常、禁忌                   筋腫、内膜炎、月経過多、月経困難、子宮                   奇形、子宮発育不全、がん、出血因              コンドーム、ペッサリー 【人工妊娠中絶】   ・22週未満までとなっている   ・手術の適応      1.本人又は配偶者の精神病、精神薄弱、精神病質、       遺伝性身体疾患、遺伝性奇形      2.本人または配偶者の四親等以内の血族に、上       の病気のある人      3.本人または配偶者がらい病にかかっている      4.妊娠の継続または分娩が、身体的または経済的理       由により、母体の健康を著しく害する恐れがある       もの      5.暴行、脅迫による妊娠       ・胎児の異常を中絶の適応と認めていない       ・手術は子宮内容除去術 【不妊症】   ・2〜3年で妊娠しないとき……原発不妊症・続発不妊症   [女性不妊の原因]    1.膣因子………性交不能、炎症    2.頚管因子……発育不全、炎症、裂傷、頚管粘液の精子貫通性欠如    3.子宮因子……炎症、筋腫、ホルモン異常、発育不全、奇形、結核           子宮空の癒着    4.卵管因子……卵管炎、狭窄、閉塞、子宮内膜症、虫垂炎、腹膜炎           の癒着    5.卵巣因子……多嚢胞性卵巣、卵胞成熟障害、排卵障害、ホルモン           産生障害    6.骨盤子宮内膜症による癒着   [男性不妊の原因]    1.精巣因子………………ホルモン産生障害、増精子不能    2.精巣上体因子…………先天性欠損、梅毒、結核、精子輸送管の障害    3.精嚢、前立腺因子……精子運動生の障害
   4.陰茎因子、性器発育不全、性交障害、尿道膀胱炎     《診断・検査》      内診、外診、一般検査、基礎体温、膣分泌物、経管粘液、ヒューナ      ーテスト、子宮内膜検査、卵管通水、通気検査、精液検査、ホルモ      ン検査、子宮卵管像造影法、ヒストロスコピー、ラパロスコピー、      内分泌検査   [治療]    1.正しい性生活指導    2.化学療法、ホルモン療法、形成手術、不妊原因の腫瘍除去    3.癒着、剥離手術    4.人工受精(AIH)……夫の精子      〃  (AID)……他人の精子    5.体外受精、胚移植          適応……乏精子症、卵管閉塞


■ 更年期 老年期

  [特徴]生理的側面…………閉経が起きる
              更年期障害・自律神経失調症・血管運動神経障害
              のぼせ・神経症状・肩こり
  [治療]・ホルモン療法・精神療法・薬物療法

  老年期……卵巣機能は停止する
        《心理的側面》不安定な精神状態になりやすい
  [保健指導]第2の人生を前向きに受けとめるように
       健康管理……子宮癌、乳ガン検診を受ける
       生活指導……適当な運動、気分転換、新しい趣味や職業、毎日を生
       き甲斐のある生活に切り替える



第2章 周産期の母児の保健管理

    1.妊娠の定義
     妊娠とは、女性の体内に受精した卵子があり、これが発育を続けている状
     態をいう
     ・初妊婦……初めての妊娠
     ・経妊婦……妊娠の経験の有る妊婦

     [妊娠期間の定義]
     ・流産………0週〜21週6日
     ・早産………22週0日〜36週6日
     ・正期産……37週0日〜42週6日
     ・過期産……43週〜
     ・予定日……40週0日(280日)

    2.妊娠の成立
     ・排卵……成熟した女性の卵巣が、周期的に卵子を排泄することを言う
     ・着床……胞胚はプロゲストロンの作用で、脱落膜となった子宮内膜に
          進入しそこで、発育を始める。これを着床・受胎と言う

     [排卵、受精、着床の過程]
      1.卵子の卵管内への進入
      2.受精の開始(卵管膨大部)
      3.受精の終了
      4.第1回細胞分裂……何回か分裂する
      5.胞胚
      6.着床

    3.性の決定と分化
     人間は22対の常染色体と。2個の性染色体を持つ。性染色体が「XX」なら
     ば女子であり、「XY」ならば男子

     ・異常染色体………21トリソミ  ダウン症候群
     ・性染色体異常……X0ーターナー症候群
              XXYークラインフェルター症候群

    4.胎児の発育
     妊娠 7週末……胎芽といい、その後は胎児と言う
     妊娠19週………胎動が分かる。児心音が聞こえる。胎児の重さ300g
     妊娠27週………この時期では育つ事もある。胎児の体重1,230g
     妊娠35週………胎児の体重2,300g

     [胎児の頭部]
      縫合………頭骨が互いに接している部分は、ゆるく隙間ができている。
           それを言う。
           矢状縫合、後頭縫合(ラムダ縫合)冠状縫合、前額縫合
      泉門………3ヵ所以上の骨が接している部分の隙間
      大泉門……矢状縫合の前
      小泉門……矢状縫合の後ろ
      大横経・小横経・前後経

    [成熟児の特徴]
     1.身長50cm、体重3,000g
     2.皮膚は淡紅色で皮下脂肪に富む
     3.毛髪2cm以上、産毛が頭部、上腕外測にある
     4.鼻先白い点状(キュストネル成熟徴候)がある
     5.爪は伸びて指先より出ている
     6.男児はこう丸が陰嚢に降りている
     7.女児は大陰しんで覆われている

    [発育を知る方法]
     子宮底の長さ……恥骨結合上縁より子宮底まで
     超音波断層法……胎嚢(GS)頭殿長(CRL)児頭の大横経(BPD)

    [出生児体重]
     低出生体重児……2,500g未満 
     極小未熟児………1,500g未満
     超未熟児ーーーー1,000g未満
    5.胎児の付属物……胎盤、卵膜、臍帯、羊水        卵膜は外から脱落膜、絨毛膜、羊膜の3枚が重なっている        妊娠16週で胎盤形成        [羊水] 羊水は羊膜から分泌される。弱アルカリ性、妊娠            末期には500ml        [羊水の効用]         ・胎児、胎盤、臍帯に対する外部からの圧迫を防ぐ         ・胎児の運動を自由にして、その発育を助ける         ・母体に対して、胎児の運動の感じをやわらげる         ・胎児と、羊膜の癒着を防ぐ         ・分娩時子宮の収縮による胎児、臍帯への圧迫をやわら          げる         ・羊水の入った卵膜が分娩時胎胞となって子宮口を開く         ・破水後は産道の洗浄        [胎盤] 15×20cm/重さ500g         ・母体面……子宮に接して居る面         ・胎児面……臍帯の付いている面        [胎盤の働き] ホルモン生成        [臍帯] 長さ50cm/直径1.5〜2cm            少しねじれて臍静脈1本(動脈血)            臍動脈2本(静脈血)     6.胎児の位置(胎位)姿勢(胎勢)      ・胎位……頭位、骨盤位      ・胎勢……屈胎勢、反屈胎勢      ・胎向……胎児の背部が母体の左側にあるのが、第1胎向           母体の右側にあるのが、第2胎向     7.胎児の血行      ・絵を描く……ボタロ、動脈管、ボタロ、管開存症、             アランチウス静脈管             卵円孔 【妊娠による母体の生理的変化】     1.性器の変化      子宮…………………子宮膣部は柔らかくなり、赤紫色の着色する      外陰、膣の変化……血流の増加で、黒褐色に着色する      乳房の変化…………妊娠初期から増大する。後期から初乳を分泌               する。乳頭、乳輪が黒褐色に着色する     2.全身の変化      消化器の変化……つわり(悪阻)。6週ごろまで続く              ※悪阻の時の対処法を話し合いたい      皮膚の変化………乳頭、乳輪、外陰部の色素沈着、妊娠線、静脈              瘤、痔      呼吸、循環、心機能……              肩で呼吸をしたり、脈拍が早くなったり、汗の              分泌が増える      体重………………体重増加11kg位まで増える              ※体重は8kgに留めたい。体重の増え方      その他……………尿意頻回/エピソードなど話したい              精神的に不安定、感情も神経質、過敏              体型により、足元が見にくい     3.妊娠の徴候と診断      [妊娠の徴候]       ・不確徴……吐き気、嗜好物の変化、嘔吐、皮膚の着色、妊娠線、             腹部膨大、浮腫       ・疑徴………子宮の増大と柔軟化、月経停止、基礎体温の高温相             の持続、外陰、膣部の着色、子宮雑音の聴取、乳房             の増大、乳汁分泌       ・確徴………胎児の各部分を触れる、児心音の聴取、胎児の運動             の自覚、臍帯血管の雑音が聞こえる、X線で胎児の             骨の確認      ※最近は超音波断層法、ドプラー法で早期に確徴が得られる(7週)      ※基礎体温についての説明      [妊娠の早期診断法]       ・尿の妊娠診断法……フリードマン法、ラテックス凝集反応       ・酵素抗体法…………絨毛性ゴナドトロピンを証明       ・高温相の持続………卵胞ホルモン/エストロゲン(低温相)                 黄体ホルモン/プロゲステロン(高温相)       ・超音波断層法………子宮内にある受精卵の円環像(胎嚢、GS)                 その中の胎児像、胎児心拍や運動の確認      [初妊婦と経産婦]……経産婦では分娩間近ではじめて固定する     ※妊娠と区別する必要が有るのは――      1.卵巣嚢腫 2.子宮筋腫 3.膀胱充満 4.脂肪過多 5.腹水 【分娩予定日の算定】   分娩予定日は、最終月経第1日目に280日(40週)を加えて、   最終月経第1日目の日付+7=予定分娩日の日付   最終月経のあった月+9(-3)=分娩予定日の月 【妊婦の診断法】   [問診]    患者氏名、年令、住所、職業、夫の名前、年令職業、健康状態、    連絡場所、既往暦、既往妊娠、既往分娩、産褥の経過、月経暦、    今回の妊娠経過(最終月経、つわり、胎動自覚、出血、腹痛の    有無)、出産する施設の希望   [全身の検査]    身長、体重、骨格、栄養状態、顔色、体温、脈拍、血圧、尿、    梅毒血清反応、貧血の検査、血液型、風疹ウイルス抗体、トキ    ソプラズマ抗体、B型肝炎ウイルス抗原(HBS抗原)   [産科的診察法]    乳房の診察、子宮底の測定、復囲の測定、浮腫   [産科外診法]    レオポルド触診法、ドプラー聴診、超音波、X線などによって、    胎児の発育、生死、胎位、胎向、多胎妊娠   [骨盤計測法]    きょく間経……23cm    大転子経………28cm    内診……………この頃は毎回行われる事が多い 【妊婦の看護と保健指導】   [健康診査と保健指導]    ・健康診査の目的     1.妊娠27週までは……4週に1回     2.妊娠28週以後は……2週に1回     3.妊娠36週になれば…1週に1回   [保健指導の目的と方法]    ・健康診査の受け方    ・妊娠中のありかた    ・栄養の摂り方    ・妊娠分娩、産褥について理解    ・分娩の準備    ・育児の知識    ・具体的な方法    ・各種の届け出書類、福祉制度の活用方法について指導  《妊娠の届け出》届け出る場所……市町村長。保健所のある市では、保健所                  長を経て市長に届ける   [母子手帳の交付]    ・妊娠の届け出で交付される・証明書はいらない    ・妊娠中の診査、保健指導、出産の状態、小学校へ入学するまでの子供     の健康状態、予防接種などを記入
【妊娠中の栄養】
 非妊婦  妊娠前期妊娠後期授乳期
エネルギー1,800kcal +150kcal+350kcal+700kcal
たんぱく質 60g   +10g  +20g  +20g  
カルシウム 0.6mg  +0.4mg +0.4mg +0.5mg 
鉄     12mg  +3mg  +8mg  +8mg  
 [注意]
  1.偏食しないこと
  2.食事の取り方………数回に分けて少量づつ取る
  3.減らしたい食品……刺激性の食品は、食欲を増進するため、
            ある程度の少量
            脂肪はなるべく植物性
            アルコールは摂取しない
            コーヒー、紅茶は日頃飲み慣れている程度

 [栄養剤と食物] 貧血とカルシウムの指導、具体的な事


【保健指導の実際】
  [日常生活指導]

    1.運動と仕事……健康度などによって異なるが、一般には妊娠
            前から行っていたものには差し支えない
            激しいスポーツは避ける
            妊婦体操散歩は良い
            (※実際してみたい)
            妊婦水泳……Dr.の許可が必要です
            避けたい動作……重たい物を運搬
                    振動の続く仕事
                    下腹部に力の入る仕事
                    長時間の立ち仕事や歩行
            心身の緊張が続く仕事の場合……
                    こんな時は産前産後休暇を
                    申請出来る
            自転車、自動車の運転も慎重にしたい
            旅行は16週から27週が良い

    2.栄養と睡眠……睡眠時間は非妊時よりも、1〜2時間多く
    3.身体の清潔
    4.口腔の衛生……虫歯予防に注意する、妊娠初期に歯科受診をする、
            治療は妊娠を考慮にする
    5.タバコ…………妊婦に悪影響を及ぼす(低体重児)
    6.乳房の手当……陥没乳頭、扁平乳頭、妊娠中期以後に初乳が分泌
            常に清潔にする
    7.衣類……………腹部をしめつけないような服、肩からつるもの
            下着類は木綿、妊婦用ガードル
            (※妊婦掻痒の事を話す)
    8.腹帯……………妊娠5ヶ月の戌の日に腹帯を着ける。
            (※巻き方を説明、実演)
            [腹帯の目的]
             ・腹部の保温
             ・腹壁に弛緩や懸垂腹の予防
             ・外部の刺激に対する保護
             ・腰痛の防止 
             ・母親の自覚
            ※外国ではそんな習慣はない
    9.靴………………靴は太いかかとの中ヒールで幅が広いものが良い。
            妊婦の体重の重心は、ハイヒールの場合前方になり
            転びやすい
    10.排泄……………便秘傾向になりやすい
            [便秘解消方法]
             ・野菜や果物をたくさん摂る
             ・一定の時間に排泄を試みるように習慣付ける
             ・適度な運動
             ・妊婦の判断で、薬や下剤を使ってはならない
            ※便秘対策を話し合う
            ※下剤でいろんなことが起きた事を話す
 [精神保健]
  妊娠中は神経が過敏になったり、感情が不安定になったりしやすい。
  出産に対する準備指導……分娩施設を早めに決める。里帰り分娩など
   1.心の準備
   2.身体の準備
   3.必要物品……妊娠28週ごろまでに準備。母親用物品&新生児用物品
   4.和痛分娩のための指導……呼吸法、リラックス法、マッサージ法の
                拾得
                ※具体的に説明をしたい
   5.診察の介助……環境の整備
           診察前の準備(排尿をさせておく)
           腹部の診察時……触診の時は膝を曲げて緊張をやわ
                   らげる。児心音聴取の時は両膝を
                   伸展させる
           内診時……………必ず付き添い介助する



[ひとりごと(^o^)]
あぁぁぁ〜疲れました! まだ続編があと2枚ありますが、何しろテキストで 書いているので疲れます。
ところで私は、どうしてこんな事をしているのでしょう? 何かに役に立って いるのでしょうか? また、メリットはあるのでしょうか……。謎です(笑)。
また、専門でされておられる人が見られると、これをどう思うのか、いろいろと 不安を抱きながらもアップすることにしました。
読まれましたら、どうぞメッセージをお願いします……。