夜の授乳間隔があくようになると、お母さんはぐっすり朝まで眠る
ことができますね。でも、朝起きてみたら"おっぱいがカンカンに
張っていた"ということが度々起こってきます。おっぱいを出す働きをするプロラクチンというホルモンは夜間眠っているときにたくさん分泌されます。ですから,夜間の授乳は卒乳・断乳まで行うのがのぞましいのです。
しかし,こんな時,「おっぱいは張った方がいい」と考えるお母さんが多いため、ついつい前絞りもせず、そのままおっぱいを与
えてしまう方が多いのです。
これを続けていたらどうなるでしょう? おいしいおっぱいが作ら
れるサイクルは、2時間半〜3時間といわれています。おっぱいが長
い間乳房に溜まれば、それだけおっぱいの質は落ち、美味しくない
おっぱいになってしまうのです。当然のことながら、赤ちゃんは質
の落ちた美味しくないおっぱいを飲みたがりません。
また,おっぱいを充分働かせることができないので,分泌量が落ちることもあります。どうしても夜中に赤ちゃんが眠り込んで飲ます,お母さんも夜起きることができない場合は,飲ませる前に前絞りをして,赤ちゃんに吸わせて空にするようにしてください。また,おっぱいが張らないと不安に思うお母さん方がいらっしゃいますが、
丁度この頃になると、お母さんのおっぱいは、赤ちゃんが乳首
に吸い付くと、射乳反射が起こり新鮮なおっぱいが作られるという
システムに変化してきます。ですから,日頃ふにゃふにゃで張らないおっぱいでも,赤ちゃんが吸い付くと,おっぱいが硬くなり,血管が浮き上がり,おっぱいにツーっとした痛みが走り,それまでチュクチュクと口を動かすだけだった赤ちゃんがゴクゴクとほっぺをへこませて飲み込む様子が見られるようになります。時には飲ませているおっぱいの反対側からおっぱいが垂れてくることで,おっぱいが出ていることを感じることもあるでしょう。
また、「おっぱいが張らない」「おっぱいを飲まない」=「おっぱいが足りていないと」心配になり、
ミルクを足すことを考えるお母さん方も多いようです。3カ月健診での体重の伸びを見てから考えても遅くはありません。まずは,おっぱいの質,お母さんの食事,授乳状況などを振り返ってみましょう。
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