本文へジャンプ
助産師のあかねホーム 道具箱 図書館 助産院 リンク メディア BBS ブログ

「ぬくもりのあるお産を求めて」を出版して、多くの方々から感想を頂 戴しました。この場をお借りして御礼申し上げます。ありがとうございま した。いただいた感想の一部をご紹介させていただきます。またお読みに なっておられない方はぜひともお読みいただき、その感想をお送りいただけ れば幸いです。
奥田朱美

◆「嵐の夜の三人四脚」(本書80P)に登場された、高松氏より

「ぬくもりの正体が見える」

 助産師の奥田朱美さんはインターネットがまだ今ほど普及していないころ からパソコン通信を駆使して産婦さんたちの相談にのり、そしてホームペー ジも立ち上げた。この時期にできたネットワークが結果的に助産院「あかね 助産院」(奈良県天理市)の開業につながった。助産院の名前「あかね」は パソコン通信のときのハンドルネーム(ネット上で用いるニックネーム)か らのものだという。

 この助産院で奥田さんが追求していることを言い表せば本のタイトルに使 われている「ぬくもり」を産婦さんたちに提供するということだろう。
 「ぬくもり」というと、羽毛にくるまれるような皮膚感覚の心地よさがある。 確かに奥田さんの容姿や穏やかな口調を知る人なら誰もがなるほどと思うだろう。 また助産院の中身も普通の家に必要最低限の医療機器があるという感じなので 産婦にとっては親戚のおばさんの家で出産・入院するような雰囲気がある。 しかし本のページを読み進めると、この「ぬくもり」は奥田さんの医療者として の強烈な職人(プロ)意識によって成り立っていることが読み取れる。

 職人(プロ)意識とはなにか。それは自分の技術や知識に自信を持ちつつも 日々研鑚を怠らず、責任を持ち、そして顧客に対して期待以上のサービスや商品 を提供しようとする態度である。「期待以上」といっても、あれもこれもとやたら にオマケをつけることではない。顧客にとって最適なものを用意することである。 オーダーメードの服を頼んで、「サービスでレースをつけときました」とか「布 地を奮発してソデを5センチおまけに長くしておきました」などということは、 職人(プロ)の仕事ではない。これと同じだ。
 ましてや妊娠・出産となれば身体の感覚や状態が産婦によって異なる。不安の 度合いや知識・経験、家族の状況も人それぞれだ。産婦にとって「よいお産」 「納得できるお産」というのが「ぬくもり」という言葉につながるのだが、それを コーディネートしていく力が奥田さんの職人(プロ)意識の核の部分だろう。

 本の中に電子メールによる産婦さんとのやりとりや、助産院で産婦の話を聞くこ とに重点をおいているところなどが登場する。必要な医療機器を駆使してリスクの 回避や的確な医療処置を行いつつ、アドバイスをしていく様子がよくわかる。これ が産婦にとって安心感につながる。医療関係者はとかく「先生」と呼ばれる立場に あるが、職人(プロ)意識のない「先生」にかかりたい人は誰もいないだろう。

 この本の面白いところは、奥田さん自身が産婦や胎児の診察から医療者として予 測を立てたり、処置方法を考えるところなどが所々に出てくることだ。たとえば、 開業第一号のお産に取り組んだ時は内心どきどきしつつも、泰然自若の態度を決め 込み、産婦さんが心配しないように状況を話した。しかし実は自分を安心させるよ うなところもあった、というエピソードが登場する。このエピソードなどはお産の 現場で職人(プロ)として役割と責任をまっとうしようとする奥田さんの覚悟のよ うなものが伝わってくる。

 ところで、職人の仕事の対価とは何か。報酬(カネ)はもちろんだが、お客の喜 びはそれ以上に嬉しいものだ。おそらく、奥田さんにとっても産婦さんの喜びは大き な対価(喜び)になっていることはまちがいない。
 対価といえば、もうひとつあった。出産そのものは神様の仕事で、それを少し手 伝っているだけとという奥田さんだが、どうやら出産を通して女性ホルモンをたく さんもらっているようなのだ。そのせいか「若く見える」といわれることが多いそ うだ。世の中広しといえども女性ホルモンが対価という職人さんはそういまい。
(了)
高松 平藏

◆私には3人の子供がいます。生まれたところは上から順番に京都、ニュルンベル グ、天理(奈良県)とばらばら。もちろん実際に産むのは妻ですが、彼女はドイツ 人。お産のたびに、夫婦で出産の場所をあれこれ調べたり、出産そのものについて考 えることになりました。
◆奥田朱美さんは一番下の長男を取り上げてくださった助産師さん。奈良県に住んで いたときにインターネットで探し当てた『あかね助産院』(天理市)の院長でもあり ます。同氏は最近、本を出版されました。実は同書には私たちの出産についても触れ られ、私が奥田さん当てに書いた手紙まで載っていている、といういわくつき(?) の本です。
◆同助産院は2階建ての落ち着いたトーンのピンクの壁が特徴。しかしよく見ると、 普通の日本家屋と棟続き。そんなこともあり『助産院』といっても普通の家に医療機 器があり、そこで、奥田さんがにこやかに迎えてくれる、という雰囲気のところで す。まさに親戚のおばさんの家でお産という感じが魅力です。
◆一方で同書には奥田さんの助産師としての職人意識とでもいうべきものがたくさん 見出せます。職人意識とは、自分の腕に自信と責任を持ち、顧客に対して期待以上の 満足を提供しようという気概をもっていること。そんな意識が医療機器を最適に使い つつ、産婦とのコミュニケーションを重視するスタイルにつながっているようです。
◆患者の立場でいえば、医療者は一様に『先生』になってしまうものですが、医療者 も個人経営者と大所帯の組織で働く場合とでは責任所在の明確さにちがいがあること もよくわかりました。よくよく考えると、どういった職種でも同様のことはいえるの ですが、職業意識の低い医療者にはかかりたくないものです。
★お産の孤独ってありました。私の場合甘ったれなのかもしれません。 特に初産のときは妊娠中も産んでるときも産んだあとも孤独をかん じました。 主人は理解もあります。でも頼れない。病院に行く、でも事務的に すべて運ばれる。もちろんそれは順調だからなのだけどプラスアル ファがほしい。陣痛をこらえて何晩も過ごす孤独、朝刊を運ぶバイ クの音に朝が近いことを感じて周りの人が動き出す安堵感。 あかね助産院にはそんな孤独を感じさせない。産んだあともまた孤 独だった。実家の親に相談しても30年前だから安心できない、も ちろん姑は女の子だったから産後一週間たたない私に次の出産を望 むだけ。一人目だとママ友達もいない。家にとじこもって悲しくは ないけど興奮状態で涙がでる。あかね助産院なら孤独も不安もかん じずに自然にすごせる、だからいろいろなことにがんばれる。 この本を読めばよむほど理想のお産がそこにある。お産だけではな く子供を育てる力の原点があるようなきがします。 一人一人のお産、育児にかかわっているあかねさんの思いがストレ ートに心に入ってきました。 これから出産するかた結婚する方には読んで欲しい。もちろん娘た ちにもその日がきたら読んで欲しい。こんど娘たちの幼稚園の先生 にプレゼントしようかなと思っています。
★「あかねさんは、魔法のエッセンスを持っています。 すべてを与え、導くのではなく、自らが道を切り開いていく ためのちょっとした機会を与えてくれる不思議なエッセンス。 お母さんたちだけでなく、私たち論パールームスタッフにも いろんなエッセンスを振りかけてくれます。彼女は人の上に 立つのではなく、同じ土台でともに悩み、ともにチャレンジ する精神をもっています。もって生まれた人柄と経験、ネット を利用した幅広い活躍で”助産師あかね”は現代のお母さん方 に支持されているのです。」 本の感想です。
★あかねさん、わたしも読みました。やっと読み終えたところです。やっぱり、誰の お 産も違って、ただひとつのお産なんですよね。で、そうやって生まれた子供たちがマ ニュアル通りに育たないのも当たり前だよねって、心の底から思います。一人一人が 全部違うやり方で育ち、全部違うシアワセを見つけるんですよね。ラインに乗せるの ではなく、一人一人の別々のお産を見守る仕事ってすごいです。
★感想を改めて書きますが、赤ちゃんは本当に神様からの授かりものなんだなぁ・ ・・と実感させられます。 そして、私の時の妊娠・出産を思い出させてくれて、私の方が子供に感謝だなぁ。 と感じさせられます。
★読ませていただいて、じーんとしています。 これから役に立つ人がいたら、絶対見せてあげようと 思っています。 小説と違って事実なので読むたびに気が付いたり考えさせられることがあるから、飽 きない 私は、子供が好きなので生命の誕生に関わることができるあかねさんがうら やましい
★感激した 患者さんに寄り添う看護、患者さんの要望に寄り添う看護、そんな奥田さんの思いが ひしひしと伝わり良かった