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99年8月号、(マタニティ)月刊誌で紹介される、 婦人生活社出版

 自分のホームページを持とうと思ったきっかけは、
ニフティに加入してパソコン通信をかじってから。
「子育てフォーラム」というのがあって、子育てにまつわるさまざまな問題について、お母さんたち(時にはお父さんも)がパソコン上で、ああだこうだと活発に意見を交換しているのですが、まずはその情報量にびっくり! これは、妊婦さんたちも参考になるはずだ、と感心すると同時に、あまりに膨大な情報量に、自分が求めている情報を探すのが大変に違いない、
それなら・・・と思い、妊婦さんや育児真っ盛りのお母さんに向けて、一助産婦として情報発信することにしたのです。内容は、妊娠中の健康管理から出産、育児について、細かい項目に分け、妊婦さん(お母さん)たちに、自分が知りたい項目を読んでもらえるようにしました。さらに、何か聞きたい
ことや話したいことについては、Eメールをいただければ、後日私から改めてお返事するようにしています。

 Eメールは、相手の顔を見ることもなく、電話のように相手の都合を気にする必要もないメリットがある反面、文章からしか相手の状況を汲み取れないもどかしさもあります。そういうときには「ここの部分について、もっと詳しく教えてもらえますか、例えば・・・」と、さらにあなたのことを
知った上で話したい、と返信します。すると、妊婦さんも「この人に話を聞いてもらえる」と安心されるのでしょう、大抵の場合、状況や心境を細かくつづった、長い長いメールが返ってきます。

 今はマタニティのような妊婦さん向けの雑誌や書籍もたくさんあるし、妊婦さんたちも本当によく勉強なさってます。でも、自分で勉強し、考えた結果「こうしよう」と決めたことについて相談できる人が身近いないんですね。間違っていたら、正しい選択を促し、ベターなときも「それが一番いいと思うよ」と
確認してくれる、本来なら先生や助産婦と健診の中で交わす「密なかかわり」を求めているのかもしれません。

 先生や助産婦によっては、妊婦健診の中で「これは知ってて当然だろう」と勝手に判断して、説明が言葉足らずになることもあるようです。例えば、「安静にしなさい」とは言われてないのに、張り止めの薬を処方されたが、やはり安静にするべきでしょうか、
という妊婦さんの質問の場合も、先生は張り止めを飲む状況なら当然安静にするのが常識だと思って言わなかっただけ。また、「ちょっと(赤ちゃんが)下がっている」「ちょっと(子宮口が)硬めだね」と言われても、何のことか分からず不安だけが増す経験のある方もいるでしょう。私が答えているのは、そんなささいなことだけど、妊婦さんにとつてはとても重大なことが多いような気がします。

 昔のお産婆さんは、赤ちやんを取り上げるだけではなく、地域の子育ての先生・お母さんたちの相談役のような役割もしていたと開きます。今までどおりパソコン通信で妊婦さんやお母さんたちとかかわりながら、今年の末にも地域に根ざした、自然分娩のできる小さな助産院を開業する予定です。妊婦さん自身はもちろん、胎内にいる時から子どもにかかわり、
出産後も、お母さんたちが子育てに対して「自分でなんとかできるかも」と自信がつくまで、長い目で見ながら親子にかかわっていくつもりです。そして、いつしか21世紀のお産婆さんと呼ばれるように、がんばっていきたいと思います。

ワーフロすら使ったことのない私の、40歳を過ぎての「パソコン初体験」、パソコン通信ができるまで3カ月かかったものの、今はブラインドタッチで打てるようになりましたよ。妊娠中に時間がある、という妊婦さんは、妊娠を機にパソコンに挑戦するのもいいかもしれません。外部と接触する機会の少なくなる育児期間も、大いに役立つはずです。私のホームページアドレスは、
「http:〃www.mahoroba.ne.jp/〜akane/」、
またはヤフージャパンで「助産婦のあかね」で検索すれば
お会いできますよ。

奥田朱美/奈良県・天理よろづ相談所病院を経て、
平成元年よりフリーに。今までに取り上げた赤ちやんは1000人以上。現在は家業を手伝いながら妊婦健診や母乳育児に関するホームページを開設、相談に乗っています。